クローズアップ
阿部よしつぐ
【河村隆役】
青山草太
【乾貞治役】
郷本直也
【海堂薫役】
昨日舞台の本番を無事に終えたばかりの青山草太くん。余韻を味わう間もなく、今日からはもうミュージカル『テニスの王子様』の稽古です。一方、着々と稽古を重ねている阿部よしつぐくんと郷本直也くんは、新作の稽古場に、既に手ごたえを感じているよう。
先ほど歌稽古を終えたばかりの3人に、稽古について、今回の意気込みについて等々、お伺いしてみました。

——3人ともお互いの舞台を観に行かれているそうですが…

阿部 昨日千秋楽でしたね、青山草太くん!イエイ!(拍手)
郷本 お疲れでした!
青山 どうだったのどうだったの?
阿部  すごく難しいストーリーで、台詞の言葉も難しかったけど、ちゃんと言葉も理解してしゃべってるなっていうのが分かった。言葉自体が難しいから、聞いてる僕らは全部は理解できないんだけど、草ちゃんの台詞には説得力があったよね。
郷本 台詞に"圧"があるのが分かったね。僕はこの間、アベビーの『砂の戦士たち』を観に行って…
青山 その前の『レ・ミゼラブル』は俺も観に行ったよ!
阿部 『レ・ミゼラブル』はKimeruくんと草太くんとで観に来てくれて…
青山 食い入るように観てたよ!(笑)
阿部  カーテンコールの時に、客席で手を振ってたのが分かったんですよ。けっこう後ろの方に座ってて、しかもその時は僕、来てるって事も忘れてたんですけど。
青山  忘れんなよ!公演前にメールのやりとりもしたじゃん!(笑)
阿部  あ、そかそか。(笑)でもどこに座ってるかなんてまったく分からなかったんです。でも、あの1800人の観客の中から見つけたんです。コイツやっぱり華があるんだよね〜。
郷本 光ってたんだ(笑)
青山 よっしー、『同期の桜』は観に行った?
阿部  行った行った、良かったよ!本当に良かった。日本人の忘れていた心を思い出させてくれるような芝居だったよ。
青山  俺の『美しきものの伝説』もそうだけど、実話だから、重みがあるって言うか…靖国神社でやるというのがね、あれ、すごいよ!
郷本  テニスの王子様』で僕らを知ったお客さんにしてみれば、草太や僕なんかの役は、めっちゃ意外やったろうね。
阿部 一昨日のKimeruのライブとかね。彼もすごく意外だった、男!って感じだったよ。
郷本 ホンット豹変したよね!「みんな俺について来いッ!」って、声もいつものキメちゃんじゃなかった。
青山 へ〜〜!!
阿部  「暴れ足んねぇよなあッ?!」とかね。Kimeruってファンの人から"キメル兄さん"って呼ばれてるんでしょ?納得したよ!
青山 電話で直也に「どうだった?」って聞いたんだけど、「俺、キメのファンになった!」って(笑)
阿部 いや〜、ホントにすごかったよ!
青山 そういえば部長の新しいCM見た?
阿部 見た見た!
郷本 え、何々、どんなの?
青山 ぬいぐるみをね、
阿部 や、待って待って、俺が女の子だとして、こう(立ち上がって)いるじゃん?
青山 このカーテンが電柱だとして… (寸劇を始める二人。爆笑の郷本くん)

——みんないろいろなお仕事されている中で、『テニスの王子様』の稽古場に帰ってきてみて、いかがですか?

阿部  仕事ってやっぱり、割り切らなければいけない部分もあるし、1人の個人として自立して、どこか構えてないといけない。でもここはなんていうか、家族みたいな雰囲気ですね。ここに帰って来ると自分が出せると言うか、裸になれる。すごくリラックスしてるし、でも決めるところは決めて、遊ぶところは遊んでって言う…そこがいいよね。まあもちろん、みんな華があるから、お互いそれに負けないように、とは思ってるでしょうけど。
郷本  うん、僕もそう思う。でも最近は、だんだんみんなの色々な部分がよく分かってきて、お互いにぶつかりあったり、対立したりという事も出てきていて、でもそれって、今がいちばん良くなってきているのかな、と。今まではただただ仲が良い仲間達という感じだったんだけど、今はみんなが、お互いの技術を高めるために、言い合ったり…。そういう雰囲気が出てきたように思いますね、全体的に。 あとやっぱり男同士で集まって体をみんなで動かせるのは、ホントに充実してて毎日が楽しいですね。


——稽古ではホントにみんな発散してますよね。

郷本 みんな、また更に自分を出してるって言うか。
青山 ああ、そうなんだ!俺は今日が初めてだから…
郷本  草太はホントね〜、電話で話してても、初めは「俺にテニプリの話しないで!」って言ってたんですよ…「今は自分の舞台に集中したいから!」とか言って…
青山  ハハハ!(笑)
郷本  稽古始まってからいつ頃だったか電話した時に、「なあ〜台本どんなんなー?」って聞いてくるんで、「あ、俺、言ってええの?」って言ったら、「あ、ダメダメダメ!…けど、どんなんなー?」って。
阿部  かわいい(笑)
青山  だって気になるじゃないですか、やっぱり!(笑)でも今内容の難しい芝居をやっているから、テニプリを見てしまったら駄目だ!と。だから今日の朝4時半まで、台本見なかったんです。
——じゃあ、まださっき読んだばっかり…!?

青山 ホントに全然手をつけなかったです!で、『美しきものたちの伝説』の打上げが終わって…
阿部 打ちあがってる場合じゃねーよ!(笑)
青山 打ちあがる前に帰ってきたんだよ!(笑)で、家に帰る時に、マネージャーから台本手渡されて…

——じゃあ、アドリブのプランなんかは全然、まだこれからですね?(笑)

阿部 いや、彼はねー、今日初稽古で、しかも歌稽古だったのに、もうアドリブ考えてたの! (一同笑)
青山 すいません!!! 一個思いついちゃいました!いや、ちょっとしたおつまみ程度のネタですけどね。(笑)
阿部 しかもね〜…これ絶対持っていく!っていうようなネタでね…ズルイよね!(笑)
青山 あのさ、俺今日初めての稽古で、さっきよっしーに付き合ってもらって、二人で歌の稽古してたじゃん?そしたら入れ替わりで不動峰のメンバー入ってきたんだけど…なんか、すごく新鮮だった。なんか、ホントに青学(せいがく)と不動峰みたいになってたね、空気が。
郷本 うん、確かにそれはあるかもね、今。
青山 不動峰は不動峰で固まって…っていうかんじだったから、仲悪いの?って一瞬思っちゃったけど。
阿部 悪いよ。
青山 悪いの!? (一同笑)
阿部 ウソウソウソ。全っ然悪くない。(笑)
青山 悪くないんでしょ?
郷本  うん、すっごくいい関係だよ。相手が頑張ってたら、刺激を受けて「やらな!」言うて、みんな頑張るし、青学(せいがく)が思いっきり稽古しだしたら、向こうもやり出すし。

——不動峰メンバーの第一印象って覚えてますか?

郷本 実は僕ね〜、感じ悪いなーって…(笑)
阿部 あ、ゴメン、俺も!(笑)
郷本  初めて会ったのは取材の現場だったんだけど、青学(せいがく)チームはもう皆仲いいから、「ウェーイ!!」とか言って馬鹿やってて、でも不動峰は全然笑ってなくて…。でも今、改めて考えてみたら、俺ら、馬鹿だな!!って(笑)
青山  不動峰メンバーが、なんかやたら大人に見えた。「何してんのかな、あの人たち…」って冷めた目で見られてるような(笑)
郷本  で、稽古が始まってみたら、全然そういうんじゃなくって、みんなすごい真面目だったんだっていう…(笑)
青山  みんなストイックだったんだ。
郷本  阿部くんともお茶しに行った時にそういう話をしたんだけどね。不動峰がすごく真剣に稽古にも打ち込んでるところを見てたら、自分、なんだか浮かれてるようなところあったんじゃないかなって、気づかされたところがあるよねって。それから改めて、稽古に打ち込むことができたんだよね。
阿部 初心に帰ったね。
郷本 そう!それって、すごく大事なことだなー、と思って。
青山 うん、なんかGW公演の時の俺たちってあんな感じだったかもね。
阿部 あの時は、公演が成功するかどうかってことも全く分からなかったし…。
青山 必死だったもんね。
阿部  僕も追加公演に出演してなくて、戻ってきた感じだったから、青学(せいがく)のみんなについていけるかなーっていう不安もあって…僕の場合は、ちょっと不動峰と似た空気があったんですけど。

——前回の不動峰対談では、阿部くんにはダンスを教えてもらったりして、引っ張ってもらっていると皆が言っておりましたが。

阿部  はっはっは。ホラホラホラ。
郷本  アレ!?僕のこと、なんか言ってませんでした?僕、最近けっこう不動峰寄りなんですけど…
青山  何それ!?なんか無理に解け込もうとしてるんでしょ!
郷本  や、そういうんじゃなくて、自然と不動峰と打ち解けてるんじゃないかな〜と。

——収録は一週間くらい前ですので…(笑)

郷本 ああそうだ、だって最近だもん。最近、急接近中だから!
阿部 なんか自分に言い聞かせてない?(笑)
青山 全然解け込めてないんじゃないの?(笑)
郷本 おかしいなー…
青山  まあまあ、じゃあ今日、俺が泊まりに行ってやるから!(笑)俺の場合は、まだまだこれからなので…まあ無理して解け込もうなんて思わなくても、お互いがやっていること、がんばっているところを見て、自然と認め合っていけるようになれれば、それでいいかな、と。(笑)

——今回は、演出家の上島先生についてもお聞きしてみたいんですが。

阿部  この『テニスの王子様』という作品に対して、今まで培ってきたものを注ぎこんで、勝負しようとしてるんじゃないかな、という真剣さが伝わってきますね。
郷本  僕の場合、ミュージカルの演出を受けるということ自体、初めての経験だったので、こういうものなのかな?と思うところもあったんですけど、ここまで自分を自由にさせてくれるのって、やっぱり上島さんだからこその演出なんだな、って思いますね。僕らのダンスを良いように見せてくれたり、いい雰囲気を作ってくれたりするのは、やっぱり全て上島さんのお蔭だな、と。上島さんありきのテニプリですね。
青山  それで、上島さんって俺らを自由にさせてくれるんだけど、でもそれってある意味すごく厳しいじゃん。
郷本  厳しいんだよね〜(笑)
青山  俺たちの方から、いろいろ持って行けば行くほど、上島さんもそれに応じて演出してくれるけど、俺らが持って行かなければ何もしない。それってやさしいようでいてすごく厳しいよね。でもどんどん持って行けばどんどん相乗効果になっていくし、すごく勉強になる。俺らが持ってる本質的なものを、より最大限に生かしてくれる演出をしてくれるから、俺はすごく好きですね、上島さんのやり方って。

——今回の公演に対する意気込みや、見所などありますか?

青山  俺の場合今回、他の人の試合の解説者であったり、みんなのコーチ役だったりするので…試合についてはダンスや歌も入ってきますので、実際に試合を見ながら経過を追うのとは違いますから、うまく解説して、試合の動きを表現できたらな、と思います。それからちゃんとみんなの名コーチ役になれればいいなと。目標ですね。
阿部  タカさんを演じるに当たって、僕のいちばんのネックは体の大きさなんですよ。このミュージカルに関しては、周りがホントに大きすぎるんですよ!(笑)こんな大きい人、普段だって滅多に見ないよっていう人がうようよいて、だからそこをどうカバーしていこうかな、と考えると、やっぱり内から出るオーラですよね。舞台の面白いところは、オーラでその人が大きく見えたりもするところ。タカさんって、みんなを包み込むようなお父さん的オーラを持っていて、そういうオーラみたいなものを使って、演じられたらいいなと思いますね。僕のタカさんのイメージを最大限に追及しながら…
郷本  そうそう、小細工とかなしにね!
阿部  小細工とかなしに!
青山  え?あれ?(笑)
郷本  この間阿部くんとも話していたんですが、今回は役を超えたところで勝負したいね、と。海堂薫を演じるのはもう三回目になるんですが、海堂薫ってキャラが濃いから、あまり意識して作り過ぎないようにしたいな、と。前回までは必死でしたから、入り込もうとばかりしていたんですけど、今回は、郷本直也にしか演じられない海堂薫を演じたいな、と思っています。あと、自分の位置を理解出来たらいいなと思いますね。見せるところはちゃんと見せて、引くところはちゃんと引いて、という、全体的なバランスも考えながら。あと20日くらいありますから、これからもどんどん…え?何?
青山 いや、あと20日しかないんだな〜、と思って。
郷本 そんなんお前、ボソッと言うなよ!(笑)
阿部 あと20日もあるじゃん!!(笑)

——それでは最後に、HPを見ている方に一言お願いします。

郷本 3人から同時に言うって言うのはどう?
青山 同じことを?良いよ!なんて言うの?
阿部 なんて言うの?
郷本 何がいい?
阿部  あの、じゃあさ、今回は元旦の公演もありますから、お客さんにはぜひ、ちょっと着物なんか着て来て欲しいなと。日本のオリジナルミュージカルがこんなにヒットすることも珍しいので、お客さんの方もぜひね、日本人らしく、お正月は着物なんかで、ミュージカルを観に来るのも良いんじゃないかな、と。
郷本 ああ、着物ね〜。
阿部 これが3人の意見…って、変かな?
青山 いや、いいんじゃない?(笑)
阿部 じゃあ、そういう事で!(笑)
3人 着物で来てね!…
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