クローズ・アップ

座談会 vol.2

山吹②

皆さんの呼び名を教えてください。

川上将大
僕は「将くん」とか「将大くん」、「将ちゃん」ですね。
仁科祐二
だいたい「祐二」かなあ。
佐野真白
「まっしー」か「真白」です。
森田桐矢
「桐矢」か「桐矢くん」。
仁科祐二
あと、最近「ラッキーさん」って言われてるよね。「ラッキーさん、まだ来ないの?」とか。
森田桐矢川上将大佐野真白
(笑)。

周りの皆さんから見て、キャスト本人は演じるキャラとどんなところが似ていると思いますか?

川上将大
祐二はもともと外見が室町とそっくりだよね(笑)。そのうえで、中身をすごく研究していて、クールな室町になってる。
森田桐矢
だんだんどこまでが室町で、どこからが祐二か分からなくなってきたよ(笑)。そのくらいキャラが馴染んでる。
佐野真白
祐二くんはふとしたときに1人端っこの方で静かに考えごとをしていて、その感じが「室町だなあ」って思う。でも、控え室に置いてあるピアノで急に弾き語りを始めたりするよね(笑)。普段はストイックなんだけど……。
仁科祐二
たまに空回りしてるのかな、って思ったりします(笑)。
森田桐矢
僕は自分で言うけど、千石と違ってすごいアンラッキー。さっきも椅子の端っこに小指をぶつけたし(笑)。
仁科祐二
そういうちょっとツイてないとこ、逆に千石っぽい気がするなあ。
森田桐矢
物事をラッキーかアンラッキーかでとらえる感じね。
川上将大
だんだん千石らしい強さが見えてきたよ。
佐野真白
原作の千石って、試合に負けても落ち込むよりまずチームメイトを応援してますよね。桐矢くんもつねに明るくて、テンションが高いから、千石に似てるなって思います。
仁科祐二
将大くんは、もう本当に亜久津! 最初から「亜久津がいる……!」という感じだったけど……。
佐野真白
オーディションの時は怖くって、ウォーミングアップでうっかりぶつかっちゃった時、目を見ずに謝って、遠くに逃げたんです(笑)。でも、話すと関西ノリでおもしろいし、優しくて全然怖くなかった……いや、やっぱりたまに怖いかな(笑)。
川上将大
それは亜久津になってる時でしょ?
佐野真白
うーん、どうかな……(笑)。
森田桐矢
将くんは、みんなが言いづらいと思うようなことも代表してどんどん言ってくれるんだよね。物怖じしないところがすごく亜久津っぽい。
川上将大
亜久津は、山吹がみんなで踊る時にいないから、そのあいだみんなを見て、気になるところがあるとすぐ言っちゃうんだよ(笑)。
仁科祐二
すごく助かります。
川上将大
まっしーは、先輩から見るとちょっといじめたくなるようなかわいさを持ってる(笑)。壇くんの「調査するです!」という台詞、見てて普通に「あ、かわいい」ってなるよ。
佐野真白
嬉しいなあ(笑)。

青学キャストの印象を教えてください

川上将大
アドバイスくれるのは、やっぱり(菊丸英二 役の)礼生くんですね。ダメなところもハッキリ言ってくれるし、褒めてくれるときもストレート(笑)。あとは、(大石秀一郎 役の)隼くんも言ってくれるよね。
仁科祐二
黄金(ゴールデン)ペアは、まさにゴールデン・アドバイザーだよ(笑)。
森田桐矢
(河村 隆 役の)広大くんも具体的なアドバイスをくれるし、(桃城 武 役の)シューティさんは精神的なことを教えてくれる。「ここは俺らの試合だから、この部分では気合い入れよう」とか、よく励ましてくれます。
川上将大
(越前リョーマ 役の)一紀は本当にストイックで、時に厳しいことを言ったりもするんだけど、その分みんな納得できるくらい努力してる。
佐野真白
僕は1年トリオの3人にお世話になってます。どうやってみんなを応援すればいいのかとか、いろんなことを教えてくれます。
川上将大
あとは部長(手塚国光 役)の財木くん。みんなの前ではお調子者で、難しいダンスの振りがなかなか覚えられないのをいじられたりしてたんですが、翌日、自分の稽古の3〜4時間前に稽古場に入ってきて、ずっと1人でダンスの練習してた。裏でがんばるって、こういうことなんだなと思った。本当にかっこよかったよ。
佐野真白
原作でも、手塚部長が九州から帰ってきたときに「やっぱり手塚部長がいるだけでなんだか心強いね」って台詞がありますけど、財木くんもそこにいてくれるだけで、みんなの気持ちがすごく落ち着きます。

合宿のエピソードを教えてください。

川上将大
人生で一番きつかった……。
佐野真白
初日の合宿所に向かうバスの中では、「1日じゅう体育ができる!」みたいな気持ちでワクワクしてたんです。着いたらお昼ご飯のカレーが出てきて喜んでたら、前の席にいたカツオ役の新くんが、すごくちょっとずつ食べてて……「カレー苦手なの?」って聞いたら、「ここで食べると後がきついから」と言ってて。そこから緊張が始まりました(笑)。
森田桐矢
僕は行きのバスから憂鬱でした……。もともとインドア派で身体を動かすのが苦手だったし、青学の人たちにもさんざん聞いていたので。
川上将大
以前、テレビの番組で合宿風景を見ていたし、覚悟してたけど……。
佐野真白
体力だけじゃなく、メンタル的にも追い込まれたよね。10分間みんなで縄跳びするときの「ミスできない」というプレッシャーがすごかった! 誰か引っかかったら、全員でやり直さないといけなくて……。
仁科祐二
最初はみんなで「ドンマイ!」とかかけ声をかけるんだけど、だんだん奥歯をかみしめて声を絞り出すようになって……。
川上将大
怖い話だけど、追い込まれるとだんだん「誰か先にひっかからないかな」って思っちゃうようになるんですよ。
森田桐矢佐野真白
思ったー!
仁科祐二
悪魔がささやくんだよね(笑)。
川上将大
でも、地味’S(ジミーズ)の2人は乗り越えたんです。
佐野真白
2人揃ってるから乗り越えられたのが、見ていて分かるんです。「まだ(南 健太郎 役の)尚弥、いるか?」って(東方雅美 役の)凌ちゃんが声かけて、「ここだよ!」って応えたり。
川上将大
声援ってこんなに力になるもんなんだな、っていろんなところで思ったよ。山吹だけじゃなくて、青学も応援してくれる。1人では絶対心が折れてたよ。
森田桐矢
僕は「もう無理」とかすぐ言っちゃうタイプなんですけど、場の雰囲気がそれを許さなかった (笑)。ここでそういうこと言ったら、確実に全員の士気をそいでしまうなって。
仁科祐二
桐矢が弱音を吐かなかったから、みんながんばれたというのもあるよ。
佐野真白
なんだかんだ、桐矢くんは楽しんでたイメージがあるけど……。
森田桐矢
あのね、言わせて? 楽しんではなかったよ……?
川上将大仁科祐二佐野真白
(笑)。
川上将大
でも思い出すと辛いことばかりだけど、絆も強まったし、行けてよかったよね。
佐野真白
あそこで学んだことが、今いろんな場面で活きてると思います。

稽古場でのエピソードを聞かせてください。

川上将大
ダンスの軸はダントツで祐二だよね。覚えるのも早いし、みんなに教えてくれる。
仁科祐二
少しでもチームの役に立てたらいいなと思って。
森田桐矢
千石の試合には、歌もダンスもラリーも詰まっているので、全部を完璧にこなせるよう、ひたすら練習するしかないなと思って、毎日通してやるようにしてます。1日やらないと、全部忘れてしまいそうで。
川上将大
ラリーは本当に難しいよね。キャラクターを研究するだけでも足りないし、リズムを覚えるだけでもダメ。亜久津の試合らしい「見せ方」を日々考えてます。
佐野真白
僕は試合がないぶん、とにかくベンチワークですね。本気で応援して、試合の熱をお客様にも届けたいなと思います。

改めて、お客様に注目してもらいたい自分自身のポイントを教えてください。

川上将大
やっぱりリョーマと亜久津の試合ですね! 稽古を重ねるごとに、リョーマ役の一紀を「倒してやる!」という思いがどんどん強くなってきたんです。絶対負けたくないから。
仁科祐二
その思いが見ていて伝わってくるよ。
森田桐矢
あの試合は、自分がいちばんかっこよく見えるところだよね。
佐野真白
それは桐矢くんも同じじゃない?
森田桐矢
そう、俺も自分の試合が一番かっこいいと思ってる(笑)。千石と桃城は、敵対しつつも、どこか心が通じ合っているようなところもあって。これまでにない楽しい試合になりそう。
仁科祐二
僕は、室町と千石さんとの関係性を見て欲しいですね。室町はクールでなんですが、それでも先輩の千石さんをすごく尊敬してるところを感じていただければ嬉しいです。
佐野真白
壇 太一は越前リョーマと出会い、尊敬している亜久津先輩とリョーマの試合を見て、少しずつ気持ちが変化していきます。その成長を見ていてください。

最後にお客様に一言お願いします。

佐野真白
新メンバーの新渡米と喜多も加わって、今までにない山吹になると思います。楽しんで観ていただければ嬉しいです。
仁科祐二
とにかくシンプルに、精一杯がんばるしかないと思っています。ぜひ僕たち山吹のことを温かく見守っていてください。
川上将大
自分で言うのもなんですが、本当に素晴らしい舞台になっていると思います。何度観に来ていただいても絶対に楽しんでいただけるよう、自分を追い込んでいきたいです!
森田桐矢
42公演、2ヶ月間、山吹は一陣の風として、一気に駆け抜けていきます。1公演1公演大切にしたいと思いますので、応援よろしくお願いします。