vol3
まずは…お互いの最初の頃の印象と、「今はこうだな」っていうのを
聞かせて。
- 秀弥くんは確かテニスのフォームレッスンで一緒になったとき、僕、凄く汗かきなのにタオルを忘れちゃってて。でもまあTシャツで拭いちゃえばいいやとか思ってたら秀弥くんが「これ貸すよ」って、サッとタオルを出してくれたんだけど、それがめちゃめちゃカッコ良くて嬉しくて、思わず「わぁ、この人、神や!!」って。
- (爆笑)
- それがまた手塚部長っぽい、さりげなくやさしい感じで。でも現場に入ったらすぐ「実はユニークな人だな」ってわかったんだけど。表情も凄く多彩だしテンションが愉快だから、絡みやすくって大好き! で、小越くんはもう"クールのカタマリ"(笑)。誰が見ても絶対そうだと思うよ。もちろんクールなだけじゃなく、近くにいると実はとってもウエルカムな人なんだってわかった。地方公演中にホテルでお喋りしたり、ノリがいい人!
- タオル、全然覚えてない…(笑)。義人はとにかく大人しいっていうイメージだったなぁ。もともと1年トリオのことはみんな学生ぽいっていうか、若々しさを自然に備えているのがいいなぁって思ってた。でもその中で義人は最初あんまり笑わなくて…ね?
- そうなんですよー。めちゃめちゃ緊張しぃなんで。
- だよね。でも今はよく喋るし、可愛いなぁって思う。自分にとってはなんか面倒見たくなる可愛い弟、みたいな存在。勇輝は…最初はもう「あー、これが小越さんか」と。なんか…(人見知りの)バリア張りまくりな感じ? ビンビンあって(笑)。
- まあ…ね(笑)。
- 俺は早くそのバリアを壊して、ホントの勇輝をもっと見たいって思った。今はケラケラ笑うけど、あの頃は俺に対しても若干愛想笑いだったし。
- あー(笑)。稽古中とか、青学メンバーでよく言ってたんだよ。「小越くんを笑わせたいよね」って。
- そうだったの!?
- そうそう。みんなの中に、「とにかく一個笑わせられたら一個近づけるぞ」みたいな思いがあった。
- 僕も結構笑えるネタとか考えてたし。
- …あ、でも俺もみんなと近づこうとしていろいろ頑張ってたけどね。
- うん、知ってる〜。
- (照)。あれだよね、楽屋に隠れてて驚かしたりして。
- 俺、驚き過ぎてスポーツドリンクひっくり返したことあった(笑)。今思うとなんか恥ずかしいんだけど、それぞれで早く距離を縮めることをすごく考えてたよね。俺、はじめはホントにちょっと行き過ぎかもって思うくらい、勇輝に対してはズカズカ行ってたからなぁ。でも勇輝がいなかったらやっぱり今の青学はなかったと思ってるし、おかげで今ではなんでも話せる欠かせない存在になりました(照)。
- 秀弥は…オーディションで見かけたときから印象が強くて、まずは「背が大きくて爽やかだなぁ」と。それは今でも変わらないけどね。ただ義人が言うように中身は相当ユニークな人なので(笑)、そこのギャップがすごく面白かった。で、俺と義人とは最初、私服撮影のスタジオで一緒になったんだよね。
- そうそう!
- 待機するところにテーブルがあって、義人が目の前に座ってたんだけど…様子がね、モノすっごく暗いの(笑)。俺も人のこと言えないところあるけどさ、義人はホントに周りが引くくらい人見知り発動してたし、とにかく相当暗くって、「うわ、この人ヤバイかも。大丈夫かなぁ…仲良くなれるかなぁ」ってこっちが内心ハラハラしたよ(笑)。
- 最強の人見知り!
- あの日のこと、しっかり覚えてます。「わ、小越くんだ。リョーマだ。目の前に本物のリョーマがいるぞ。うわぁ〜〜、どうしよう〜!」って、自分の頭の中ではどんどんいろんなコトを考えてはいるんだけど、結果、どうしたらいいかわからないからひたすらじーーっと、暗くしているんですね(笑)。
- 怖かったよ〜(笑)。でもホントは構って欲しい子なんだってすぐわかったし、ま、可愛いヤツです。
- 慣れるとね。基本、甘えん坊なので(笑)。
じゃあ"今の青学"について感じていることは?
- 俺は最初はなかなか自分で自分を「部長だ」って思えなくて、でも周りからは自然とそのポジションを求められてるのも感じてたんだけど…誰にどう対応していいのか戸惑ってたところがあったんだよね。例えば「稲垣くんにこのことを伝えるにはどうしたらいいかなぁ?」とか(笑)。でも慣れてくると次第に周りが見えてきて、そうすると自然に自分も自分の立場に近づいていくというか…きっとそれはみんな同じで、俺は比嘉公演のときにすごく「手塚を感じられた」んだけど、メンバーによっては全国氷帝公演でそういう実感を得たキャストもいれば、四天宝寺公演で「あ、コイツ来たな」って感じたキャストもいて。そうやってひとりひとりが徐々に自分のことだけでなく「チームのための自分」ってことがわかってくると、なにを伝えたらいいかも見えるし、逆に自分がなにか言われても納得できるし。今はもう青学全体がしっかり意識を持ってるし、「12人で考える」ってことができてるのが、やっぱり成長の証かも。
- 意志が強いというか、青学はホントにひとりひとりの個性が魅力的だなって思うんですよね。個人的には公演を踏むごとに本番中のエチュードというか、台本じゃないこととかは自分から発信してやることに対して、自信をもてるようになった。少なくとも「堀尾として間違ったことはしてないんじゃないか」っていうくらいの自信はできたと思う。で、それはみんなもそうだもんね? 例えばベンチで秀弥くんがなにかやってるのを見たら「あ、これって手塚っぽい!」て感じるし、ほかの人もそう。最近はみんなのやることが全部正解に思える。
- そうだね。みんなが自分のキャラクターに自信を持てるようになってるのはすごくわかる。ちょっと前は「合ってるかな?」って気持ちもどこかにあったりしてたけど。
- 今は「これ!」って。
- そう。迷わず提示できる。
- それは俺も同感。みんな自分のキャラクターにちゃんと自信持ててるから、チームとしても個人としても着実に成長できていると思うんだ。自分は今まで周囲から「青学って代々で全然カラーが違うんだよ」って言われてもあまりピンとこなかったんだけど、自分がいざ6代目〜今の青学って代替わりを経験すると、「あ、ホントに違うなぁ」って思って。どっちがいいとかどっちが好きとかじゃなく、同じテニミュなのに全然違う感覚で公演を楽しむことができて…最初はある意味違う現場に来たぞっていうような気持ちにすらなれた。そこでまたみんなからたくさん刺激をもらい、また新たな自信も生まれて。面白いなぁ。
- …ねえねえ。義人、なんかさっきから身体がヘンに横向いてるんだけど…?
- あれ、ホントだ!
- バレた? あの…ふたりといろいろ話してたらいっちばん最初の頃の気持ちが甦ってきて…そうしたらあのときの緊張感も甦ってきて…で、今、距離感がおかしなことに。身体が勝手によそよそしくなっちゃってる(笑)。
- 人見知りだ(笑)。でもそれ、わからなくもないよ。自分も今日は気持ちをさらけ出していろいろ話せたけど…その分、なんか変な感じ。ちょいちょいかしこまった空気になっちゃって、むずかゆいわ〜(笑)。
- うん、俺も(笑)。伝わりづらいと思うけど、ふたりとも最初から変な緊張感あったしね。自分も今回はこれまでで一番楽に進められるトークだと思ってたのに、結局一番頑張って進行してた(笑)。でも一番身近な青学メンバーから改めて「今思ってること」が聞けて、自分にとっての発見もたくさんあった。自分は今、2ndシーズンでストーリのクライマックスの公演を前に自分自身にかかるプレッシャーと言うか、ファンのみなさん、スタッフのみなさん、キャストのみなさん…今までテニミュに関わってくれたすべての人の気持ちというか、ホントにいろんな荷物を背負ってるぞって感じててすごく重いんだけど(笑)、やっぱり、ひとりじゃそんな大きな荷物は持てないんだよね。青学のみんな、カンパニーのみんなで一緒に背負って分け合って、ひと公演ひと公演進んで行けばいいんだって──話をしながら気づけました。これからもどうぞよろしく!
今の青学のチーム力は、ひとりひとりの"自分改革"の賜物でもあった──日々見えない努力を重ねているキャストさんの真摯な姿勢が伝わるトークは貴重。とはいえ、個室に集まるなり"変な緊張感"に包まれていた3人。気心知れた仲だからこそ、真面目に本音をぶつけ合う公式の場は少し照れくさかったようです。
そして…ますます盛り上がる第4回は、まさかの"あのメンバー"が集結!?